竹富島考 過去・現在そして未来

 竹富島のアイヤル浜付近で「大型リゾート開発計画が進んでいる」というニュースを知ったのが年末。竹富島に通い始めて20年くらいになるが、その衝撃は大きすぎた。
 すぐさま掲示板に書こうかとも思ったが、個人的感情を掲示板にぶつけるのは良くないし、あまりに情報が少なくて、正確に欠く発言をしても良くないこと、怒り心頭のアタマを少しでもクールダウンすることも必要かと、控えてきた。
 先日、住民に対して説明会も開かれ、概要が明らかになったようだ。
 もちろん、竹富島は住んでいる住民のものであり、生まれ育った人たちのものである。そこには、住民自治というものがあり、そこで話し合われたことが最大限尊重されることは私が言うまでもない。
 ただ、大切にして欲しいことは、八重山が好きで、竹富島が好きで、静かで何もない、リゾート開発されていない、都会的でなく、小さな民宿がこぢんまりとある、そんな島に魅せられて訪れる、人たちがいることを忘れて欲しくない。
 決して、竹富島のスポンサーやパトロン気取りでいるつもりはない。島の発展?を望んでいないわけではない。それでなければ、こんなウェブサイトを立ち上げることだってしない。

 うまくは言えないけど、竹富島に繰り返し繰り返し通う人たちの声も受け止めて欲しい。発言権はないけど、竹富島を愛して、移り住んだり、石垣島に住み足を運んでいる人たちの声も聞いて欲しい。
 20数年前、やはり竹富島がリゾート開発されそうになったとき、島の人たちは「土地を売らない」と頑張った。それが、「竹富島憲章」として実を結んでいる。私は、竹富島憲章がとても好きだ。そんな憲章を制定した島の人たちを尊敬している。
 それでも近年、竹富島は東桟橋が巨大化したり、さらに浮き桟橋を造ってみたり、利用しにくい「かりゆし館」をつくってみたり、交通量の割に規格の立派な外周道路を造ってみたり。ハコモノ行政といわれてもおかしくないことをやってきている。桟橋から郵便局までの道路をアスファルトで敷設した。そのせいかどうか分からないが、間に挟まれた木も枯れて?しまった。
 石垣島のサザンゲートブリッジが造成された結果、潮の流れが大きく変わった。竹富島東部の海岸の砂が削られるなど影響も出ている。
 
 竹富島には2つの船会社が30分おきに高速船を走らせ、昨年からは新たに1社が参入した。年間70万人を超える人が訪れ、宿も減少から増勢に転じた。
 島に人は大勢来ても、きれいな海ときれいなサンゴ、きれいな島は確実に蝕まれている。リゾート開発や農地造成で、石垣島のサンゴや西表島のサンゴ、波照間島のサンゴは大きなダメージを受けた。島のおじぃ、おばぁに聞いて見て下さい。テーブルサンゴが大きかったこと、サンゴの根だと思って覗き込んだら、でっかいマンタだったことを。

 リゾート開発せざるを得ない様々な理由はあるだろう。石垣島に新空港を建設することも決まり、300人乗りのジェットが飛んでくる時代が迫っている。いまでも大勢お客さんが来ているのに、これからもっとお客さんが見込める。
 沖縄本島のようになってもいいのだろうか。開発で流出した赤土でサンゴが死んでも、魚がいなくなった海でも、エメラルドグリーンにみえる海も潜れば悲しい状況だ。
 竹富島も海水温の上昇でサンゴが白化し、数年前に深刻な被害を受けている。それでも自然の懐は広くて大きい、サンゴは少しずつ復活してきている。でも、また昨年はサンゴの白化現象が出ている。オニヒトデの被害も深刻。そこに、開発で森を伐採し、流出した赤土でサンゴはどのようになるかー。
 リゾート開発された竹富島に未来はあるのだろうか。島民の「島ぬ宝」はどこにあるのだろうか。
 やり方は、まだ他にもあるはずと思うのは私だけだろうか。

  買い戻すお金がひつようなら、お金を集めよう!一人ひとりのお金は小さくとも、お金が集まりはじめれば、島の人も行政も動かざるを得ない、そういうとりくみをしませんか。
 私は、アクションを起こします。

2008年3月の状況 

  仲盛荘ファンサイト@管理人
2008.1.24